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ミルーニャ・アルタネイフのここが尊い2016

幻想再帰のアリュージョニスト(http://ncode.syosetu.com/n9073ca/)に登場するキャラ、ミルーニャ・アルタネイフの尊い部分を本文から抜粋して紹介します。

 

3-4

” だん、という激しい足の踏みならしによって大地から呪力を引き出すと、そのまま流れるように右足を振り上げていく。 
 敵の物理攻撃を受け流しながら、靴型杖による呪力の導引、そして反撃。絵に描いたような初級呪術【報復】の流れである。 
 絶妙な軸足のバランス、完璧な腰の捻転から繰り出される上段蹴りは鮮やかですらあった。”


私はここでミルーニャが好きになった。後衛と思いきや近接格闘を披露。ギャップ萌え!
後にこれが通信講座で習得したものであることを知ってもっと好きになる。

 

3-6

「【最後の魔女】の予備候補で【塔】きっての呪術医ベル・ペリグランティアの助手、そして四人の候補者の支援役? そんな地位に甘んじたままなんて御免です。私の号は白、性質は生存欲求、起源は下らない運命に対する抵抗。そう、私は不幸の敵。不運の駆逐者。定められた老いと死を打ち砕くもの」


ミルーニャの宣名。性質が”生存欲求”というところが最高にかっこいい。逆にカッコイイ。

 
「反動があるならその都度再生すればいいわけです。どうせ先込め式なので連発できませんしね。腕も銃も使い捨てで行きましょうか」


自分も道具も使い捨てのように扱うところは自傷行為に似ている。

 

3-7

「対策済みに決まっているでしょうそんなの。私の指の中には海底だろうと高山だろうと生存可能なだけの呪具が格納されています。呼吸用の耐圧容器くらい貯蔵してますよ、当たり前でしょう?」 
「――下手くそ。ぜーんぜん感じないんですよね。独り善がりな男って最悪ですぅ。自分の思い通りにすることしか頭に無いんですから。やっぱり暴力的な男は一人残らず死ねばいいんですよ」 
「私のテロメアはコピーをどれだけ繰り返しても劣化せず短縮しません。わかります? 細胞分裂回数の限界が無いんですよ。自己再生、自己分化、自己複製を繰り返す、完全自己制御型のビナインチューマー――いえ、霊体も同時に再生させる私の肉体は、ネオエクトプラズムとでも呼ぶのが適切でしょうか」


ペイル、ナト、イルス、それぞれの攻撃を受けての台詞。再生能力持ちに対する定石にしっかり対抗策を備えているところが萌え。「この日のためにあくせく働いてきた」とも言ってたし、準備は十全にしていたんだろう。

 
「喰ってやりました。融血呪というのも案外大した事はないですね。それとも使い手が低位の細胞だったためでしょうか。生意気にも取り込もうとしてくれたので、逆に私が取り込んでやりました。あの程度の脆弱な意思力でこの私を抑え込もうだなんて、ちゃんちゃらおかしいです」


大方の予想を覆してトライデントの細胞すら取り込むメートリアンちゃんマジ最高

 
「この通り、代償として私の肉体を破壊してしまいますが――まあ神滅具にはよくあることです。コストを踏み倒せる私には関係が無い。未完成ゆえに知覚加速や時間停止はできませんけど、その代わりに最速工程で対抗呪文と同じ効果を発動させることができる。【闇の静謐
】と【極寒協奏曲】の打ち消し呪術二段構え。誰も私の心を侵すことはできない」


「コストを踏み倒せる私には関係がない」は不老不死の体を手に入れたら絶対に行ってみたい台詞…。それと「誰も私の心を侵すことはできない」という台詞から、彼女が心(=脳?)を神聖なものと捉えていることが伺える。だからペレケテンヌルに改造されたときはショックだったんじゃないかな……この点でトリシューラと比較すると、杖使いとしてはトリシューラの方が純度が高いように思える。やはりミルーニャはトリシューラに負けるべくして負けたのか。

 
「雑魚がどれだけ群れた所で! そんなのは個々の力が弱いと白状しているようなものです! 救いがたい程に愚かしい! 自分への確信を失った相手などに、私は負けない! そうだ、自分を信じることすらできないあんながらくたに、私が劣るはずが無いっ! 私は最後の魔女になって、正しい運命を取り戻すっ! 私がっ、私がっ、この、私がっ!!」


この我の強さ、プライドの高さがたまらない。自分自身になにより執着する彼女の性質がよく表れてると思う。ミルーニャは自分のそういうところを嫌悪していたけれども。

 

その女の人とお母さんはとても気があった。お父さんの同僚。不思議と回りと調和できる人で、色々なものをこじらせて既にまともに人と話せなくなっていた私ともすぐに打ち解けるような人。私もお母さんも好感を抱いた。私達は頭が悪かったのだ。”

 ” 母は心療内科への通院を繰り返しながら、新しい家族を受け入れていた。空の民――すなわち雲上人たる貴族の二人の傍らで粛々と家事をこなす母の姿は、使用人かなにかに見えた。


父とリーナ母の浮気は、ハルベルトに指摘されていた、富裕階層への僻みっぽさの要因となる出来事だと思われる。とはいえミルーニャもそこそこ裕福な家の生まれなので富裕階層というよりは上流階級への妬み僻みかな。使用人のように家事をする母親の後姿を見ているときのミルーニャの気持ちを考えると切なくなる。

 

0-1
ホワイトは自分が敗北し、脱落者となったことを知った。

  落胆し、悔しさに唇を噛みつつも、今の自分はこんなものなのだ、と冷静に分析する思いもあった。この敗北を糧に、次の勝利の為に成長しなければならない。大丈夫だ、自分はまだ折れていない。”

”並み居る怪物たちを圧倒した真の怪物。天才達をも上回る本物の才能というものを、ホワイト――メートリアンは生まれて初めて見せつけられた。”

”独力でアストラル界にダイブできる能力があればこのようなものは必要ないのだが、そこそこの杖の適性とわずかな邪視の適性しか持たないメートリアンにとっては必須の呪具だった。”


ミルーニャは他の候補者に比べれば才に乏しい。また一般家庭の生まれである彼女は、呪術の英才教育も受けていない。それでも勝利するために策謀を巡らせる。
結果は3-7で書かれたとおり、呪文の座4位、杖の座2位で終わったようだが、再生能力くらいしかアドバンテージのない彼女にしては良い線いったんじゃないか?

 
 

0-4

” 必勝を期してこれ以上ないほどの瞬間に裏切ったホワイトは歯ぎしりして、

 『うぐぐ。いつか必ずヴァージリアをこてんぱんにしてやります。今度はもっと鮮やかに裏切って――』

『裏切るのはやめなよお姉ちゃん。みんなに嫌われちゃうよ』


ミルーニャの精神の幼さが垣間見える。少なくとも対人関係ではリーナの方が成熟しているのでは。

 

3-29

 ”手を広げ、結界を張って二人を守ろうとするその女性に、

 「お母さん!」

 と泣きそうな声で呼びかけるリーナと、一瞬だけ振り向いて微笑む女性。

  その姿を見たミルーニャは、迷い無く呪石弾によって箒から飛び上がった。

  箒を中心に展開された球状結界から抜け出し、死の放射線が荒れ狂うゼロ気圧の世界へと身を投げ出すと、牽引呪術で女性を――妹の母親を視界に入れないようにしながら真横に押しのける。”

 ” 違う。

  リーナは叫びたかった。

  ミルーニャは、家族愛とかそういうことを考えて行動なんてしていない。

  あの誇り高い姉は、自分と違ってそんな事は絶対にしないに決まっている。

  彼女は、自らの誇りの為にそうしたのだ。

  大切な家族だからそうしなくてはいけない、なんて鎖に縛られた自分たち――クロウサー家とは違う。

  ただ自由に。

  自分の意思で、自らを不利にする道を選び取る。”


あくまで自分のために行動するミルーニャが尊い。彼女は自己愛の塊だがその振る舞い、在り方は間違いなく"ほんもの"だ。

 

4章幕間左右一対の邪眼姫

三半規管を翻弄する重力の制御を妹に任せ、私は左手の投石器
を前に突き出した。”


地の文でリーナを妹と呼ぶ。リーナには自分のことをお姉ちゃんとは絶対に呼ばせないのに・・・

”眼鏡で視力を強化して猫姫の手元を覗き込む。小さく繊細な手、手入れの行き届いた美しい爪。少しだけ見とれる。リーナと同じ、育ちの良い手だと思った。”


育ちの良さを意識する場面その2。リーナと同じ=自分とは違う、”育ちの良い”手。

 

思い出せる限りざっと本文から引用してみました。
まとめると
・一般家庭出身というハンデがありながら(祝福者っていうアドバンテージもあるが英才教育を受けられなかった点
、持って生まれた才能の乏しさはほかの候補者に比べてかなり不利ではないか)策謀を巡らせて勝とうとする
・杖の階梯は(三章時点では)4階梯。決して高くはないがそれでも杖の座の2位まで追い上げた
・基本的には中衛だが近接戦闘もそこそここなす
・ロリな見た目だが26歳
・自分に(異常に)厳しく他人にも厳しい
こんな感じでしょうか。
3-7のメートリアン戦はアリュージョニスト全体を見てもかなり名勝負だと思うのですが、これは私がミルーニャ好きすぎるからかもしれない。

 

以上、ミルーニャ・アルタネイフのここが尊い2016でした。